仕事と透析を両立している方は、どうやってその生活を続けているのでしょうか?
人工透析は1回につき3~4時間かかり、一般的に週3回のペースで通院する必要があります。また、医療機関で透析を受けられる時間は限られているため、その時間に間に合うよう仕事を終わらせる必要があるのです。
透析にもさまざまな種類があり、生活スタイルも人それぞれ異なりますが、参考としてぜひご覧ください。
20代は若者時代で、何をしていても楽しい年齢です。大学を卒業して、社会人になるため大きな変化を経験する年代でもあります。就職をしたり、一人暮らしをしたり、と初めての経験も多くなる年代。反面、生活スタイルの変化で悩みや葛藤も増えてくる時期でもあります。20代の若い世代はどのように人工透析と生活を両立させていけばよいのでしょうか。人工透析との向き合い方も参考にしてみてください。
30代は若者から大人へと移り変わる年代です。その後の人生を左右する経験を積む年代。場合によっては「親」となることもあるでしょう。結婚や子供など生活環境が大きく変わる中で、将来どうするのかといった点も考慮しなければならない30代で人工透析と仕事を両立させている体験談を掲載。仕事と治療のバランスなどを参考にしてみてください。
社会的な責任も増える、働き盛りの40代。しかし、加齢の影響を感じ出すのもこの時期であり、生活習慣病もグッと増える世代でもあります。ここでは、そんな40代で人工透析と仕事と両立させている方の体験談を掲載。どのように仕事を続けているのか、チェックしてみてください。
責任あるポジションを任されることも多く、仕事にやりがいを感じられる50代。しかし、若い頃に無茶をしたツケが体調に現れてくる時期でもあり、健康診断で引っかかるケースも多くなっています。ここでは、そんな50代で人工透析と仕事を両立している方の経験談をまとめてみました。
仕事を退職する方もいますが、まだまだ現役とばかりにバリバリ仕事をこなす方も多い60代。しかし、老化から血圧や血糖値が上がりやすい年代となっており、生活習慣病に悩まされる方も多く見られます。そんな60代で人工透析と受けながら仕事を続けている方は、どんなライフスタイルなのでしょうか?体験談を参考にしてみてください。
女性の社会進出が望まれている今、女性でも人工透析と仕事を両立させている方が多くなっています。どのような方法で透析を続けているのか、透析を続けることにデメリットはないのかなど、気になる情報を体験談からチェックしてみましょう。
家族が人工透析になった場合、その家族はどのようなサポートを行っているのでしょうか。夫のために食事管理を徹底した奥さまや、母親が40代で人工透析になった方の体験談などをご紹介しています。
透析の負担は多々あるかと思いますが、時間的な負担が大きいと感じている透析患者も多いのではないでしょうか。日常生活の中で常に透析の時間を意識しなければなりません。仕事・休日に関わらず、自分の透析の時間を常に覚えておき、透析を行うために通院しなければなりません。
いわば透析中心の人生となってしまいますので、仕事に就くことさえ難しい状況です。近年では在宅での透析やオーバーナイト透析など、極力日常生活に支障が出ないような透析の方法も登場していますが、透析そのものが負担になってしまったり、そもそも在宅やオーバーナイトでの透析そのものを行っている病院がまだまだ少ないという事情もあります。
遊びたい時に遊べないどころか、仕事さえままならず、常に透析中心の生活を送らなければならない点は、透析患者共通の悩みの種と言えるでしょう。
特に仕事に充実感を覚えている中で透析が必要になると、仕事と透析を両立できないかと励むものの、結局は双方が中途半端な状態になってしまう場合も珍しくなく、体のことを考えて仕事を辞めたり休んだりとなってしまうケースも珍しくありません。
投薬のように一瞬で済むものではなく、どうしても時間が必要な透析治療に於いては、多くの患者が時間的な制限・拘束に対して負担に感じているのではないでしょうか。
かといって、透析に理解のある会社はまだまだ少ないのが現実です。透析のために早退したり休むと告げた際、快く送り出してくれる会社よりも、怪訝な顔をされる場合が多いのは透析患者であれば経験したことがあるのではないでしょうか。
まだまだ透析そのものが透析患者以外の理解を得ているとは言い難い状況なので、透析治療のために早退や休みを取って、次第に会社内での居場所がなくなるといったケースも珍しい話ではありません。
透析による時間的制限・拘束に対して、周囲の理解を得るために透析の時間以外は人一倍仕事に打ち込み、時間的な負担を強いられることを理解してもらうという人もいれば、どうしても透析中心の生活にしなければならないことから、雇用されている立場である会社員を辞め、自らの都合で仕事をこなせる自営業・フリーランスとなり、治療中心の生活を送っているという人もいるようです。
近年は働き方改革の影響もあり、残業禁止や積極的な有給取得を呼び掛けている会社が増えている点から、一昔前と比べると、透析患者の負担が軽減されるようになったとの声もあります。
透析患者もまた、体調が悪くなってしまうケースもあります。体調管理は人間誰しもが訪れるものではありますが、透析患者の場合、透析治療と共に悪化した体調の改善を考慮しなければなりません。
例えば風邪を引いてしまった場合、透析患者は風邪と透析治療の二つを考えなければならないのです。
透析患者でなければ、風邪の治療だけを考えればよいのですが、透析患者の場合、風邪と透析治療の双方を考慮しますので、治療の際、透析治療に影響が出ないのかといった点も考慮しなければなりません。さらには仕事をこなしている場合、双方の治療に加えて会社のことまで考慮しなければなりません。年齢と共に体調管理が難しくなる状況を踏まえると、透析治療は年齢と共に、どうしても負担が増していくと考えることもできます。
体調管理を考えた時、多くの透析患者が自分自身のライフスタイルを見つめ直しています。透析患者はどうしても透析治療をライフスタイルの中心に据えなければなりませんので、もしも体調不良を起こした時にはどうするのかを考え、先の項でもお伝えしたように仕事を考え直したりするケースも多いようです。
また、常日頃から体調面に対しての配慮を人一倍行っている透析患者も多いようです。
透析患者以外であれば、例えば風邪であれば常日頃からそこまでデリケートになる必要もないですが、透析患者の場合、風邪を引かないよう常日頃から家庭内の空調、手洗いの徹底等を行うというケースもあれば、人が多い所に出向いたら、帰宅した際にうがい手洗いや消毒を徹底しているという人もいるようです。
透析患者にとって、治療時間もさることながら、治療のために病院まで足を運ぶ通院時間の負担も忘れてはなりません。
仮に治療が数時間だとしても、通院先までの交通時間を含めると、「治療に拘束される時間」は更に長くなるでしょう。
自宅から病院、職場から病院の双方のケースを考慮すると、より大きな負担になってしまうものです。
良い立地にある病院が自分の望む透析治療を行っていればよいのですが、立地の良い病院には自分の望んでいる透析治療が無く、立地の悪い所に限って自分の求める治療が行われているとなれば、透析患者としての選択肢は「立地の悪い病院に通う」を選択せざるを得ません。つまりは日常生活の中で負担が増えることを意味していますから、このバランスもまた、透析患者にとって頭を悩ませる問題の一つとなっています。
通院の負担を軽減するために考えられる解決策としては、引越しをして自宅の住居の位置を変えるか、あるいは職場を透析治療が行われている病院の近くに変えるなどして通院負担を軽減する方法が考えられます。
しかし、これらは自分のライフスタイルそのものを大きく変えることにもなりかねません。引越しや転職は簡単なものではありません。自分の都合の良い新居や職場が見つかる保証はどこにもありません。しかし、透析を中心に考えると、やはり仕事そのものを選ぶというケースが多いようです。
在宅でもできる仕事に就いて、仕事面での移動の負担を軽減して病院に足を運びやすくなる環境を整えたり、あるいは車のような移動手段を確保し、かつ車出勤が可能な職場を選んで少しでも通院の負担を減らす努力を行っている透析患者もいます。
透析は治療以外の面で日常生活に支障をきたすシチュエーションはそうそうありません。車を用意して、移動の負担を少しでも軽減するようにと考えている人もいれば、職場はおろか仕事のスタイルそのものを変える人も。仕事と生活への対策は人それぞれです。
透析患者を雇っている企業側の問題も挙げられます。
透析であることを気の毒に思ったり、心配してくれたりはしても、「職場」という観点から考えると、一人の人間が早退や休暇を頻繁に取得している状況は好ましい問題ではありません。
また、雇っている側だけではなく、同僚たちも含めて透析への理解不足の問題もあります。そもそも透析がどのようなものなのか分かっていない人が多いので、透析治療で休む、あるいは早退・遅刻するとなった時、「そこまでする必要があるのか」との思いを抱いてしまう人も珍しくないでしょう。
家族や親戚に透析患者がいる場合には透析治療がどのようなものなのか理解してくれますが、そうではない人の方が圧倒的に多いです。ともすれば、透析治療を理由に会社での待遇が悪くなったり、責任感のある仕事から外されたりといった可能性もあるでしょう。
会社側、あるいは同僚たちに透析を理解してもらうためには透析そのものを理解してもらうことはもちろんですが、自分自身が仕事を十分にこなし、周囲からの信頼を得ることも大切です。
例えばですが、常日頃一生懸命頑張っている人が「治療なので休みたい」と申し出れば、会社や同僚も「それくらい仕方ない」と思ってくれるでしょう。しかし、普段から仕事も中途半端で回りに対しても非協力的な場合、治療のために休みたい、あるいは早退や遅刻をすれば周囲から「またか」「いい身分だな」といった冷ややかな視線を集めてしまうかも。
透析そのものを理解してもらうと共に、透析患者としてではなくまずは一個人として周囲からの信頼を得ることも大切です。そのうえで、周囲や会社とコミュニケーションを取って透析治療がどのようなものなのかを理解してもらうとよいでしょう。
透析患者は、少々シビアな言い方をすると「透析に甘えている」ケースもあります。
「自分は透析なんだから仕方がない」と、透析をまるで免罪符のように持ち出して周囲に理解を得ようとする患者もいます。
確かに透析治療はとても大変なものです。日常生活に大きな負担を強いられますから、周囲の理解や協力が不可欠なものではありますが、一方で「だから回りも理解しろ」「理解してくれない周囲が悪い」といったスタンスは、いわば甘えです。
透析治療が大変なものであるのは間違いありませんが、誰しも何かしらの問題を抱えながら仕事にまい進しています。
その点を忘れて「透析だから早退や遅刻しても仕方がない」「休むことになっても透析なんだから」といったスタンスでは、周囲からの理解は得にくいでしょう。
透析患者である以上、治療が大変なものであることは紛れもない事実ですが、だからといって「周囲が理解して当たり前」「周囲が気を使って当たり前」というスタンスでは、周囲の理解を得るのは難しいのです。
ましてや人間誰しも、大なり小なり悩みを抱えているものです。透析患者だからといって、「自分だけが特別」といった意識を持つことは、周囲からの反感を買うだけでしょう。透析治療が大きな負担を強いられるのは間違いありません。しかし、理解を押し付けるのではなく、自分自身でできることは充分にこなす。なおかつ透析患者である立場を特別だと主張するのではなく、あくまでも一人の人間として周囲と接して、次第に透析治療がどのようなものかを理解してもらうというスタンスが大切です。
特集
人工透析と共に
酵素を取り入れる
腎臓への負担をできるだけ軽くするためには、体内の老廃物を減らすことが重要。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄といった生命活動に必要不可欠なもの。体内の酵素を増やすことが腎臓を助けることにつながると考えられるのです。