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慢性腎不全(慢性腎臓病)とは

人工透析導入の原因となる慢性腎不全(慢性腎臓病)がどのような病気かを詳しく紹介しています。腎機能低下の指標となるクレアチニン値についても触れているので、こちらもチェックしておいてください。

慢性腎不全とはどのような常態か

慢性腎不全とは、腎臓の障害・機能の低下が3か月以上継続している状態のことです。腎臓の障害とは尿たんぱくや腎形態異常を指し、腎機能低下とは老廃物を除去する糸球体濾過量が60 ml/分/1.73m2未満の状態をいいます。

慢性腎不全の原因は実にさまざまですが、主な原因となっているのは高血圧・糖尿病といった生活習慣病。メタボリックシンドロームとの関係性も深くなっており、血中の中性脂肪・コレステロール値が高い方は注意が必要です。

この慢性腎不全は、初期の時点では自覚症状がほとんどないのが特徴。症状が進むと夜間の尿量が増えるといった尿量の異常・むくみ・貧血・倦怠感・食欲不振・皮膚のかゆみといった症状が見られるようになりますが、この頃にはかなり症状が悪化していると考えられます。

初期であれば、生活習慣の改善・食事療養・運動療法で腎機能の回復が見込めますが、あまりに悪化してしまうと回復が不可能となり、末期腎不全へと移行。最終的には、人工透析や腎移植を検討しなければなりません。早期発見には検査が必要であるため、尿検査・血液検査を定期的に受けるようにしましょう。

慢性腎不全と糖尿病の関係

慢性腎不全が招く体の異常

慢性腎不全(慢性腎臓病)の原因

糖尿病腎症

原因

糖尿病腎症の直接的な原因は、糖尿病による毛細血管の障害です。
糖尿病によって血糖値の高い状態が長期間にわたって続くと、全身の血管の動脈硬化が進行します。その結果、腎臓の糸球体の毛細血管が壊れて、血管の網の目が破れたり、または血管が詰まったりなどの状態を誘発。やがて腎臓が老廃物をろ過することができなくなり、糖尿病腎症へといたります。
なお、この糖尿病腎症の原因については仮説の段階であり、根本的な原因は明確ではありません。

症状

糖尿病腎症には、その進行状態に応じて5つのステージがありますが、第1期、第2期の段階では、自覚症状がほとんどありません。第3期に入って初めて、息切れ、むくみ、食欲不振、膨満感などの自覚症状が現れます。
さらに第4期へと進行すると、顔色の悪さ、吐き気・嘔吐、筋肉や骨の痛み、手のしびれ・痛み、腹痛、発熱などの症状を自覚。第5期でも同様の症状を自覚しますが、この段階で症状を放置すれば命のリスクが高くなります。

治療法

第1期の段階で糖尿病性腎症が発覚した場合には、「通常の」血糖コントロールのみで症状を改善させることができます。第2期では、「厳格な」血糖コントロールと降圧剤治療により、症状の改善を目指すことが可能です。
第3期では、「厳格な」血糖コントロールと降圧剤治療に加え、たんぱく質の制限を行う必要があります。第4期では降圧剤治療、低たんぱく食、透析治療。第5期では透析治療が必須で、患者によっては腎移植を受けることもあります。
なお第3期以降では、症状の進行を遅らせることができても、第1期・第2期とは異なり、症状の改善を目指すことはできません。

慢性糸球体腎炎

原因

慢性糸球体腎炎の原因は不明です。正確に言えば、慢性糸球体腎炎はさまざまな理由によって誘発されるため、患者個々の原因を特定することができない、というのが現状です。
主な原因として指摘されているのが、IgA腎症や膜性増殖性糸球体腎炎などの一部病態の延長として発症する、という説。ほかにも、遺伝性腎炎や免疫反応の異常などが原因とする説も多く見られます。

症状

ほとんどの場合、自覚症状がないまま長期間が経過します。ある程度の期間を経ると、やがて血尿やたんぱく尿、高血圧、めまい、浮腫(むくみ)、肩こり、倦怠感、頭痛などの症状を自覚。さらに症状が進行すると、腎不全を経てかゆみ、食欲不振、吐き気、嘔吐、呼吸困難などの尿毒症症状が見られるようになります。

治療法

薬物療法や生活指導などを軸に治療を進めます。
薬物療法においては、たとえば浮腫が著しい場合には、利尿剤を使用して血中ナトリウムの排泄を促進。高血圧の症状が見られる場合には、降圧剤を使用して適正な血圧の管理を行います。
生活指導においては、たんぱく質の摂取制限や、激しい運動・過労などを回避するよう指導を行います。

腎硬化症

原因

腎硬化症の原因は、長期にわたる高血圧です。高血圧の影響で生じた腎臓内の動脈硬化により、腎臓への血流量が低下することで腎硬化症が発症します。
腎臓には、大量の血液を必要とする糸球体がありますが、動脈硬化によって血流量が減少すると、徐々に糸球体が硬化(腎硬化症)。やがて腎臓における老廃物の排出機能が低下し、慢性腎不全へと進行します。
なお腎硬化症には、加齢・遺伝・生活習慣などによる高血圧を原因とした良性腎硬化症と、腎動脈の狭窄による高血圧を原因とした悪性腎硬化症の2種類があります。後者は緊急の治療を要する危険な腎硬化症です。

症状

良性腎硬化症が進行した場合、慢性腎臓病によく見られる症状を自覚することがあります。具体的には、食欲不振や嘔吐、吐き気、かゆみ、眠気、体重減少、口腔内の不快な味、などです。
悪性腎硬化症においては、これら症状に加えて、心不全や脳血管障害など、命に関わる全身症状を合併することがあります。

治療法

良性腎硬化症に対しては、適切な血圧管理が治療のメインとなります。降圧剤の服用に加え、食事療法(減塩食1日6g以下)や運動療法などを通じ、血圧を130/80mmHg未満に抑えるようにします。
悪性腎硬化症に対しても同様に血圧管理を行いますが、良性とは異なり、入院による全身管理が必要です。降圧剤が効きにくい症例に対しては、注射薬による降圧治療を行うこともあります。

ネフローゼ症候群

原因

ネフローゼ症候群は、「症候群」という名のとおり、特定の病気の名称ではありません。「尿蛋白1日3.5g以上(定性4+)」と「血中アルブミンの濃度3.0g/dl以下」という2つの状態が見られる症状を指し、総称としてネフローゼ症候群と呼んでいます。
特定の病気ではない以上、その原因はさまざま。主な原因としては、慢性糸球体腎症、糖尿病性腎症、膠原病などが指摘されています。
通常は食事療法と薬物療法で治療を進めることになりますが、原因がさまざまである以上、原因によって治療法が異なることがあります。

症状

もっともよく見られる症状は、重度のむくみ。特に、まぶたや足のスネなどの部分のむくみがひどく、指で押すとへこむほどです。さらに悪化すると、お腹の中や肺の周りなど、全身に水がたまるようになります。
ほかにも、尿量の減少や食欲不振などがよく見られる症状。食欲不振にもかかわらず、全身のむくみの影響で、体重は著しく増加します。
なお長期間にわたってネフローゼ症候群が続いた場合、慢性腎臓病にいたるリスクが増大します。

治療法

食事療法と薬物療法で治療を進めます。原則として、治療には入院が必要です。
食事療法のメインは塩分制限。1日の塩分摂取量を3g以下に抑えます。脂肪分の摂取制限やカロリー管理なども並行。たんぱく質については、体重1kgあたり0.8~1.0gほどを基準摂取量とします。
薬物療法の第一選択は、副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)です。症状の改善にしたがい、徐々に使用量を減らします。併せて、むくみの著しい患者には利尿薬、その他の症状に併せて、抗凝固薬や抗血小板薬、免疫抑制薬が使用されます。

慢性腎不全の検査方法

健康診断で腎不全が発見された方は、腎臓病患者の70%にのぼると言われています。腎機能の検査には、以下のような方法が挙げられます。

クレアチニン値とは

健康診断で腎機能を数値的に確認するには、血液検査の項目にある血清クレアチニン値に注目します。クレアチニンとは筋肉のエネルギー源ですが、体内で利用・分解されたあとに老廃物が残ります。この老廃物は腎臓の糸球体で濾過されて尿中へと排泄されますが、腎機能が落ちてくると血液中のクレアチニン値が高くなってくるのです。血清クレアチニン値の基準値は以下の通り。

血液中のクレアチニン値が高くなっている場合、腎機能が低下している可能性があります。ただしクレアチニン値は筋肉量にも左右され、筋肉量の多い人ほど高くなる傾向があります。血圧や尿検査の結果とも照らし合わせ、総合的に判断することが重要です。

人工透析が必要なステージ

知っておきたい腎不全の治療薬

■参考元
一般社団法人 全国腎臓病協議会
http://www.zjk.or.jp/kidney-disease/inspection-method/index.html

特集

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酵素を取り入れる

腎臓への負担をできるだけ軽くするためには、体内の老廃物を減らすことが重要。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄といった生命活動に必要不可欠なもの。体内の酵素を増やすことが腎臓を助けることにつながると考えられるのです。