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主な薬物療法

降圧薬や造血ホルモン剤など、腎不全の治療に使われる薬の種類と効果についてまとめています。

知っておきたい腎不全の治療薬

慢性腎不全を根治させる薬は、現在のところ存在しません。そのため、慢性腎不全における薬物療法の目的は「症状の進行を抑制し、心血管系疾患・脳血管系疾患といった合併症を防ぐこと」にあります。慢性腎不全には病状の進行度合によってステージ1~5が設定されていますが、ステージが進むにつれて薬剤の量も増えていきます。用いられる主な薬は以下の通りです。

降圧薬

高血圧は慢性腎不全を悪化させる原因の1つであり、命にかかわる合併症を引き起こす要因でもあります。そのため、血圧を適切な数値まで下げる降圧剤が用いられます。降圧剤にはさまざまな種類がありますが、アンジオテンシン変換酵素阻害薬・アンジオテンシン受容体拮抗薬は腎臓機能を保護する作用にも優れています。

降圧薬服用で報告されている副作用

空咳/血管浮腫 など

クレメジン

腎不全が進むと、老廃物の蓄積による体力低下・頭痛・息切れなどが見られる「尿毒症」が起こりやすくなりますが、クレメジンはその原因となる尿毒症毒素を吸着する働きがあります。クレメジンは高純度の活性炭から作られた経口吸着炭で、腸内でさまざまな毒素を吸着し、便ととともに体外へ排出してくれます。

クレメジン服用で報告されている副作用

便秘/食欲不振/吐き気/嘔吐/腹部膨満感/皮疹/かゆみ など

造血ホルモン剤

腎臓機能が低下すると赤血球を作り出すホルモンであるエリスロポエチンが減少し、貧血になりやすくなります。貧血になると、より多くの血液を全身に送ろうとして心臓に多大な負担がかかるため、造血ホルモン剤によってエリスロポエチンの働きをサポートする必要があります。

造血ホルモン剤服用で報告されている副作用

血圧上昇/嘔気/頭痛/倦怠感/シャント血栓・閉塞 など

重炭酸ナトリウム

人体はpH7.4の弱アルカリに保持されていますが、腎機能が落ちるとアルカリ性を保つ重炭酸の濃度が低下。アルカリ性から酸性に傾き、アシドーシスという状態になってしまいます。これを防ぐのが重炭酸ナトリウムで、これはいわゆる重曹。1日1~3gほどの服用で、アシドーシスを予防できると言われています。ちなみにアシドーシスになると骨が弱くなったり、血液中のカリウム値が上昇しやすくなります。

重炭酸ナトリウム服用で報告されている副作用

腹部の張り/胃酸過多/呼吸が浅くなる/むくみ など

カリウム吸着薬

腎不全でカリウムの排泄機能が低下すると血中のカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症をきたします。食事療法でカリウムの摂取量を制限することが重要。ですが、それでもカリウム値が5.5mEq/L以上になる場合は、腸内でカリウムを吸着し、便とともに排出するカリウム吸着薬が処方されます。

カリウム吸着薬服用で報告されている副作用

便秘 など

利尿薬

腎機能が低下すると尿量が減り、体内の水分・塩分が排出されにくくなるため、利尿薬が処方されることがあります。ただし、塩分制限を守れないと利尿薬の効果は薄れますし、むくみも血圧も改善しないため、日頃からの食事療法が非常に重要です。

利尿薬服用で報告されている副作用

脱水/ミネラルバランスの崩れ/女性化乳房/聴覚障害 など

活性型ビタミンD

腎不全の症状の一つとして、活性型ビタミンDの生成量の低下が挙げられます。ビタミンDはカルシウムの吸収に不可欠な存在。よって腎不全でビタミンDが減少してカルシウム吸収が低下すると、骨がもろくなってしまうなどの症状を招くことがあります。
加えて、ビタミンDは骨格筋の形成にも重要な役割を果たす成分なので、減少することで筋力も低下。すなわちビタミンDが減少すれば、筋力低下で転倒しやすくなり、かつ、転倒すれば骨折しやすくなるという悪循環を引き起こすかも知れません。
これら症状の予防・改善のため、腎不全の患者には活性型ビタミンDが選択的に投与されることがあります。

活性型ビタミンDで報告されている副作用

カルシウム血症/高カルシウム尿症/腎機能低下/量呂欠席/胃腸障害/嘔吐/食欲不振/体重減少 など

リン吸着薬

腎機能が低下すると、リンの排泄機能もあわせて低下します。これにより体内のリンの濃度が上がると、場合によっては高リン血症を発症。やがて高リン血症を通じ、低カルシウム血症や副甲状腺ホルモン過剰分泌など、さまざまな合併症を誘発する恐れがあります。
リンの排泄機能低下による、これら症状を予防するためには、リンの摂取制限を行わなければなりません。摂取制限と並行して行われるのが、リンの吸収を阻害するリン吸着剤の投与です。

リン吸着薬で報告されている副作用

便秘/下痢/吐き気/倦怠感/食欲不振/発熱/黄疸/消化性潰瘍/イレウス/活性型ビタミンDとの併用による高カルシウム血症 など

エリスロポエチン製剤

腎臓では、造血ホルモンとも呼ばれるエリスロポエチンが分泌されています。赤血球を作るよう骨髄に指令を出すホルモンです。
腎不全になると、このエリスロポエチンの分泌量が減少。連動して造血作用が低下し貧血症状を招くことがあります。腎不全の患者に貧血が多く見られる理由は、このためです。
エリスロポエチンの分泌量低下による貧血を予防・改善するため、遺伝子組み換え技術によって人工的に作られたエリスロポエチン製剤を投与することがあります。

エリスロポエチン製剤で報告されている副作用

血圧上昇/頭痛/肝機能異常/アナフィラキシー/脳出血/脳梗塞/肺梗塞/心筋梗塞/高血圧性脳症 など

ステロイド・免疫抑制剤

微小変化型ネフローゼ症候群、IgA腎症、急速進行性糸球体腎炎、全身性エリテマトーデスによるループス腎炎などにおいて、ステロイドの投与が有効となります。また同様の症状において、免疫抑制剤が併用されることもあります。
いずれも上記のような腎臓病には効果が期待できますが、慢性糸球体腎炎で慢性腎不全となった症例については、ステロイドも免疫抑制剤も効果は発揮しません。逆に副作用が強く現れてしまうこともあるので、慎重な投与が必要となります。

ステロイド・免疫抑制剤で報告されている副作用

易感染性/骨粗しょう症/糖尿病/消化性潰瘍/血栓症/動脈硬化/むくみ/白内障/高血圧/神経障害/肝障害 など

漢方薬

富山大学和漢医薬学総合研究所は、大黄剤、駆瘀血剤、地黄剤、柴胡剤などは糖尿病性腎症に対して一定の効果が認められたと報告しています。また岐阜大学第二内科は、腎疾患治療を必要とする患者に対し漢方薬を処方する例が増えてきたと報告しています。
ほかにも漢方薬による腎臓病への作用は多々報告されており、かつ、それぞれには一定の効果があることも示唆されています。ただし現状、腎臓病治療薬の定番として広く利用されている漢方薬はありません。

漢方薬で報告されている副作用

下痢/便秘/胃痛/腹部不快感/皮膚症状/動悸 など
腎不全の薬物療法まとめ

薬物療法における副作用と合併症

薬物療法は、腎臓病に対する標準治療とされています。薬物治療なくして腎臓病を改善させたり、症状の進行をゆるめたりすることは不可能と考えて良いでしょう。
その一方で薬物療法には、少なからず副作用のリスクがあります。薬物の副作用が他の合併症を誘発することもあるようです。
腎臓病における薬物療法は不可欠であるものの、患者自身、これら副作用や合併症のリスクについては十分に理解しておく必要があるでしょう。

薬物療法と食事療法の並行

専門の医師が適切な薬物を、適切な量だけ処方している限り、副作用や合併症のリスクは、ゼロにはならないものの限りなく抑えられることでしょう。並行して、腎臓に良いとされる生活習慣を送ることも非常に大切です。
生活習慣の中でもっとも大切なポイントが食事。もちろん、暴飲暴食は論外です。生野菜を意識的に摂取するなどし、ビタミン・ミネラルなどのバランスの取れた食事を心掛けるようにしましょう。

酵素を上手に取り入れる

腎臓病患者の食生活において意識すべきは、食材に含まれる酵素です。酵素とは、食べ物の消化や体のあらゆる機能の代謝に不可欠な成分。薬物療法の補助的な位置づけとして食生活の改善を試みる場合、なるべく酵素を多く含んだ食材を意識的に摂るようにしましょう。

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