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人工透析と共に続ける食事療法

腎臓の機能が低下し、糸球体の濾過量が15ml/分/1.73m2未満になると、人工透析の導入が検討されます。

人工透析を続けると尿の量が減り、体内に老廃物が溜まりやすくなるため、体に負担をかけやすい成分の摂取を控える食事療法が必要です。

人工透析は週3日のペースが一般的ですが、透析を受けてから次の透析までの体調をできるだけ維持し、透析中の負担を軽くすることが食事療法の主な目的となります。

とくに人工透析では、たんぱく質・塩分・水分・カリウムといった成分の摂取制限が重要。糖尿病が原因となっている場合は、症状によって糖質や脂質の制限も加わります。ここでは人工透析の方が控えるべき成分について詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

また、人工透析でも血液透析と腹膜透析では食事療法の内容が異なります。主治医や管理栄養士の指導のもとで、適切な食事療法を行いましょう。

たんぱく質

たんぱく質は3大栄養素の1つですが、摂取すると老廃物である窒素代謝物を生成します。

この窒素代謝物は腎臓でしか処理することができないため、腎臓機能が低下していると体内に老廃物が滞留することとなり、さまざまなトラブルや不調の原因となります。そこで、人工透析の方はこの窒素代謝物で腎臓に負担をかけすぎないよう、たんぱく質の摂取を制限する必要があるのです。

日本腎臓学会のガイドラインによると、たんぱく質の摂取目安量は1日あたり0.6~0.7gとなっています。ただし、カロリー不足にならない工夫も必要なので、詳しい情報をチェックしておいてください。

人工透析とたんぱく質の関係を詳しく見る

カリウム

腎臓機能が低下するとカリウムの排出量が減少し、血中のカリウム値が高くなって高カリウム血症になりやすい状態です。

高カリウム血症になると不整脈やしびれ、脱力感といった症状が現れるようになり、心停止に至ることもあるので注意が必要。これを予防するため、人工透析の食事療法では1日のカリウム摂取量を1,500㎎以下に制限することとなります。

ただし、カリウムは食品のほとんどに含まれているため、油断すると制限量をオーバーしてしまいます。カリウムの少ない食品の選び方や、カリウムを減らす調理の工夫などをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

人工透析とカリウムの関係を詳しく見る

水分

腎臓機能の低下にともなって、尿量は徐々に減少していきます。初期段階では老廃物を体外へ排出しようとして尿量が多くなりますが、腎不全が進行すると尿量はどんどん少なくなっていくのです。

尿量が減ると体内に余分な水分が溜まるようになり、むくみ・血圧の上昇・息切れといった症状が現れ、血管にもダメージが蓄積。心筋梗塞や肺水腫などの疾病を引き起こすこともあるのです。

体や腎臓への負担を軽減するためにも、人工透析の方は水分の摂取量を1日600~700ml程度に抑えることが重要となります。ただし水分摂取量は症状・体重などによって異なるため、医師や管理栄養士の指示に従うようにしましょう。

人工透析と水分の関係を詳しく見る

塩分

人工透析の方は腎機能が弱まっているため、余分な塩分を排出しにい状態です。塩分を摂取しすぎるとのどが渇き、水をたくさん飲んでしまうためむくみや高血圧が進行。そのまま放置すると症状が悪化し、心不全・肺水腫といった生命にかかわる病気につながることもあるのです。

これを防ぐためにも、1日の塩分摂取量は6g以下、できることなら5g以下に抑えるのが望ましいとされています。調味料や食材、調理の仕方などに工夫を加える必要があるため、その方法を確認しておいてください。

人工透析と塩分の関係を詳しく見る

糖質

人工透析になる原因の1つに、糖尿病性腎症があります。この病気は糖尿病の合併症で、初期から中期にかけては糖尿病食による食事療法が基本となるため、糖質のコントロールが重要となります。糖質コントロールとは、血液中の血糖値が上がりすぎないよう調整すること。

とくに重要なのは炭水化物(糖質)の摂取量であり、全体の摂取エネルギーの50~60%に抑えることが大切です。ここでは毎日の食事で糖質の摂取量を抑える工夫などをご紹介していますので、ぜひチェックしておいてください。

人工透析と糖質の関係を詳しく見る

脂質

脂質摂取量のコントロールが必要なのは、糖質と同じく糖尿病性腎症の方です。糖尿病の方は血液中のコレステロールや中性脂肪値が高い傾向があり、放置しておくと動脈硬化が進行。腎臓にも多大な負担をかけ、最終的には腎症を発症してしまいます。

糖尿病食において脂質の摂取量は総エネルギー量の25%以下とされているので、できるだけ油脂をカットしたヘルシーな食事を心がけましょう。そのためのコツや注意点をまとめていますので、参考になれば幸いです。

人工透析と脂質の関係を詳しく見る

取り入れるべき栄養素・食材など

低下している腎機能を守り、腎症の進行を防ぐためにも、食事療法は欠かせないものです。人工透析の場合は負担をかけやすい成分・食材を避けることが中心となりがちですが、積極的に取り入れたい栄養素や食材もあります。

その代表ともいえるのが、人工透析の方がなりやすい便秘を防ぎ・改善する食物繊維、消化や代謝、腸内環境の改善といった働きをサポートする酵素、動脈硬化の進行を防ぐ効果を持つ植物油です。

この3つの栄養素と食材について詳しく解説していますので、目を通しておいてください。

人工透析の食事で取り入れるべき栄養素とレシピを詳しく見る

特集

人工透析と共に
酵素を取り入れる

腎臓への負担をできるだけ軽くするためには、体内の老廃物を減らすことが重要。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄といった生命活動に必要不可欠なもの。体内の酵素を増やすことが腎臓を助けることにつながると考えられるのです。