人工透析の方が水分を控える理由と、毎日の水分量を控える工夫についてまとめています。
人工透析の方が水分を摂りすぎると、尿の排出がうまくいかないので体に水分が溜まりやすくなります。すると、余分な水分を透析で除去する量(除水量)が増え、体に負担がかかってしまうのです。また、むくみや高血圧といった症状にもつながりやすくなり、心臓や血管にダメージが蓄積。心不全・心筋梗塞・肺水腫などのリスクが高まるので、注意が必要です。
人工透析中の水分摂取量は、除水によって体の余分な水分を除去した体重「ドライウェイト」によって決められます。このドライウェイトは月1回ほど行われる検査結果をもとに医師が決定し、状態によって見直しが行われます。つまり水分摂取量の目安は1人1人異なるのですが、一般的には1日あたり600~700mlに抑えるのが望ましいとされています。
人工透析を受けている間の水分制限は、水・コーヒー・お茶・氷・お酒などのほか、うがいも水分摂取量に含まれるので注意が必要。うがいは1回につき10mlほどで計算します。
水分を摂るときは小さめのコップを使ったり、熱めのお茶などを少量飲むようにするとよいでしょう。冷たいものはのど越しがよいので、つい飲みすぎてしまいます。それでものどが渇いて仕方がないときは、氷を口に入れて舐めると◎。氷は1個につき約20mlです。
また、食品に含まれる水分もできるだけ減らすことが重要です。食品内の水分を飛ばすには、焼く・炒める・揚げるといった調理法を取り入れるのがおすすめ。味噌汁・スープといった汁物、ラーメン・うどん・そばといった汁の多い麺類、鍋料理は避けたほうが賢明です。主食はごはんで構いませんが、やはり水分が多いため1食は水分の少ないパンや餅に変えるとよいでしょう。
あれこれと摂取制限の多い人工透析ですが、避けるだけでなく必要な成分を取り入れることも大切です。なかでもおすすめなのは酵素。酵素は生命活動に欠かせない成分のひとつで、内臓機能の働きにもおおいに関与しています。
酵素は食品にも多く含まれていますが、人工透析の方は十分な摂取が困難であるため、栄養補助食品などを利用するとよいでしょう。
特集
人工透析と共に
酵素を取り入れる
腎臓への負担をできるだけ軽くするためには、体内の老廃物を減らすことが重要。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄といった生命活動に必要不可欠なもの。体内の酵素を増やすことが腎臓を助けることにつながると考えられるのです。