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血液濾過透析

血液透析と血液濾過を併用する、血液濾過透析の特徴とメリット・デメリットを解説しています。

血液濾過透析とは

血液濾過透析とは、小さめの物質を効率よく除去できる血液透析と、中~大きめの物質を除去できる血液濾過を併用した治療法。Hemodiafiltrationの略称で、HDFとも呼ばれます。

この血液濾過透析では、血液透析中に1回10リットルほどの補充液(置換液)の投与を行い、注入した補充液と同等の水分量を透析器(ダイアライザー)で濾過していきます。一般的な血液透析では、大きめの物質であるベータ2ミクログロブリン(β2-MG)を除去するのが難しかったのですが、血液濾過を併用すればこの物質を効率よく除去することが可能となります。

間歇補充型血液濾過透析とは

I-HDFとも呼ばれている間歇補充型血液濾過透析は、透析膜を介して濾過・補充を行う、これまでの透析にはなかった新しいタイプの透析です。
透析によるろ過での除水で、透析液をダイアライザー等によって補充とろ過を繰り返すもので、末梢循環改善や血圧の安定、透析膜の洗浄効果や、それらに伴う溶質除去率の高まりなど様々なメリットが期待されています。
これまで難しかった血圧の低い高齢者や、透析そのものが負担になってしまう患者に対しても有効とされています。
但し、あくまでも水質管理がしっかりしている環境であることが大前提です。自動的に補充できるということは、水質がしっかりしていなければ悪い水質の透析を続けてしまう可能性もありますが、患者の症状に応じたプログラムが可能なので、患者に合わせた透析が可能です。
間歇補充型血液濾過透析に関してはまだまだ盛んに研究が行われているので、今後さらなる改善・改良が見込まれています。

血液濾過透析のメリット・デメリット

メリット

血液濾過透析は、通常の血液透析では除去しきれないベータ2ミクログロブリンの除去機能が高くなっています。このベータ2ミクログロブリンは、関節痛や手足のしびれといった症状が出る透析アミロイド症(透析アミロイドーシス)の原因とされているため、合併症予防としても有効です。実際、日本透析医学会の統計調査に於いても血液濾過透析のアミロイドーシスの相対リスクは10倍から100倍低いことが報告されています。但し、アミロイドーシスの根本的な治療は難しいので、早期からの治療の適応なのではないかとの声もあります。
また、血液透析に比べると血圧が変動しにくいため、血圧低下で透析ができない透析困難症や、心臓に障害を持っている方でも透析を受けられるケースがあります。透析は血圧や心臓の状態で左右されることになりますので、心臓への負担が少ない血液濾過透析は血圧の問題に左右されにくいと共に、血圧が低い方にさらに有効だとされています。
更に、他にもいくつかのメリットが考えられます

栄養状態の改善

血液濾過透析では栄養状態の改善が見込めます。
良い水質を活用することになりますので、栄養素が高い水質を体内に入れることになる結果、栄養状態も改善します。透析は時間的な拘束等から食生活が乱れがちですが、血液濾過透析であれば食生活だけに頼らずとも栄養の摂取を可能にします。
また、栄養が改善することで貧血の改善も期待できます。貧血もまた、栄養に左右されるものです。血液濾過透析によって栄養状態が改善することで、血液の生成も変わりますので、結果的に貧血の改善も期待できます。

腎臓への負担が少ない

血液濾過透析は腎臓への負担が比較的少ない治療とされています。そのため、尿が出る期間も延長します。透析は腎臓に対して負担を与えてしまうことから、尿にいも影響が出るものです。その点が患者の不安を増長させてしまうケースもあるのですが、尿が出る期間が延長することで体の機能的な面はもちろんですが、精神的な部分で安心感をもたらすことにもなるでしょう。

酸化ストレスの改善

血液濾過透析によって炎症マーカーの減少効果も期待できますので、酸化ストレスの改善もメリットに挙げられます。
炎症マーカーは体に様々な悪影響を及ぼします。肥満細胞が活性化されたり、腫瘍壊死因子が産生されるなどして血中濃度が上昇することもありますが、そんな炎症マーカーが減少することは体にとって大きなメリットと言えるでしょう。

透析患者の予後を改善させる

血液濾過透析は患者への負担が少ない点が特徴なので、透析患者の予後を改善させることが可能です。
結果的に寿命が延びたり、あるいは健康改善へとつながることにもなります。透析は時間的にも経済的にも患者に大きな負担を強いるものですが、血液濾過透析であれば負担を軽減させることが可能なので、結果的に予後の改善にも期待ができます。

デメリット

血液濾過透析は大きな老廃物の除去能に優れていますが、たんぱく質の一種であるアルブミンといった、人体に必要な物質まで除去されてしまうのがデメリット。アルブミンは浸透圧を維持したり、ミネラル等の栄養を運搬する物質ですが、これが少なくなりすぎると栄養障害が起こる可能性があります。ある程度食欲のある方ならそれほど問題はありませんが、食欲が低下している場合は注意が必要です。また、水質管理を慎重に行わなければならない点もデメリットの一つとして挙げられます。
通常の透析ではエンドトキシンで汚染されていますが、血液濾過透析を行う場合には細菌・エンドトキシンを清浄化させる必要があります。そのためには専用の機器を取り付けたり、透析液を作る段階から細心の注意を払うことが求められます。
透析と比べると、気を使うことが多い点は、血液濾過透析の特徴であり、デメリットに感じてしまう部分でもあります。

洗浄力の高さがデメリットに?

血液濾過透析は濾過して良い状態とした水質による透析を行います。
これにより、通常の透析以上に老廃物を輩出できるのですが、高い洗浄効果から、本来人間の体には必要なものまで除去されてしまうこともあります。
例えばアルブミン。アルブミンとはアミノ酸からできた小さなたんぱく質で、体内に於ける水分の保持や血液循環の清浄化のために必要な成分です。また、体内の様々な成分と結合することで、目的地にしっかりと届ける運搬作用もあるなど、体内になくてはならない存在なのですが、高い洗浄力のおかげでアルギミンが除去されてしまうこともあります。
その一方で、小分子の老廃物の除去が悪くなるとされています。これまで除去できなかった老廃物が除去できるようになる一方で、小分子の老廃物の除去が悪くなることから、計画的な活用が求められます。
計画的な活用という点では、血液濾過透析を行う側も専用の機器を導入し、さらには常に管理をするなど体制を整えなければならない点も注意が必要です。

血液濾過透析の費用・時間・方法

血液濾過透析にはオフラインHDFとオンラインHDFがあり、補充液の種類や置換方法が異なります。

症状によって異なりますが、治療にかかる時間は3~4時間ほど。一般的な血液透析と同じく、週3回ペースで受けているケースが多いようです。費用の目安は月額40万円程度ですが、公的助成制度を利用することで負担を大幅に軽減できます。

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