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腹膜透析

人工透析の種類の1つである、腹膜透析の仕組みとメリット・デメリットについてまとめてみました。

腹膜透析とは

腹膜透析とは、患者自身の腹膜を用いて血中の老廃物を除去する方法です。Peritoneal Dialysisの略称で、PDとも呼ばれます。

腹膜透析を行うには、まず腹部にカテーテルという5~6mmの専用チューブを設置することが第一。そのカテーテルから透析液を注入して一定時間置いておくと、血中の老廃物が腹膜中の血管から透析液へと移動してくるのです。

この透析液の注入と排液を患者自身で1日4~5回行うことにより、透析を行います。ちなみにカテーテル留置の手術は1時間ほど、透析液の注入には1回あたり10分、排液には15分ほどの時間がかかります。

CAPD

持続携行式腹膜透析、CAPD(continuous ambulatory peritoneal dialysis)。24時間持続的に透析を行うために、ツインバックを活用し、1日4回の透析液交換を手動で行います。操作方法は決して難しくはありませんが、透析液の交換には20分から30分程度かかりますが、透析量次第では短時間での交換も可能です。
インクリメンタルPDと呼ばれる、尿量や残腎機能に応じて透析量・数を決めるタイプの者が増えています。

CAPDのメリット

CAPDのメリットとして通院の負担が軽減される点にあります。
ほぼ通院が不要になることから、透析治療の時間的拘束が少なくなります。その一方で24時間持続的な透析が可能なので、食事の乱れなども十分に補えます。

CAPDのデメリット

CAPDのデメリットとしては患者自身で取り組まなければならない点です。患者自身、あるいは患者の家族によるサポートが必要ですし、腹膜炎の危険性も挙げられます。また、CAPDそのものが比較的新しい治療で、治療の継続実績が少ないです。そのため、果たして長期間の治療が可能なのかが不明な点もデメリットです。

APD

自動腹膜透析、APD(automated peritoneal dialysis)。
サイクラーと呼ばれる自動腹膜透析装置を利用したもので、夜間のみ透析液を交換するNIPDとにっちゅの透析液貯留を加えるCCPDの二種類があります。

APDのメリット

APDは夜間就寝中の透析になりますので、昼間の拘束負担が軽減する点がメリットで、時間的拘束の軽減に伴い社会復帰が行いやすい点もメリットです。また、APDは仰向けの姿勢で行うことから、多量の透析が可能です。ヘルニア患者のように腹腔内圧の上昇が望ましくない人でも問題ありませんし、寝室に設置するという観点から、腹膜炎の危険性が低いこともメリットとして挙げられています。

APDのデメリット

APDはサイクラーを設置しなければなりませんので、そのためのスペースが必要ですし、電源も必要です。また、就寝中の寝返り等による体勢の変化で接続チューブやAPD回路が捻じれたり、何らかのトラブルが発生し、APDが中断してしまう危険性もあります。
また、電気を利用するものなので停電の際には何もできなくなります。自然災害等による停電が起きた場合、APDを利用することができなくなりますし、停電がいつ終わるのか分からない状況では、透析治療がいつ再開できるのか分からない状況になってしまうことを意味しています。

ハイブリッド療法

ハイブリッド療法とは腹膜透析と血液透析併用療法を食わせたものです。残腎機能が減少することで腹膜透析だけでは毒素・溶質の除去が不十分な場合、血液透析を併用することで効果を高める手法です。
保険診療で認められていることもあり、腹膜透析患者のおよそ2割がハイブリッド療法を活用しているとされています。

ハイブリッド療法のメリット

ハイブリッド療法は患者に大きな負担を強いるものではないので、長期間に及ぶ腹膜透析の継続が可能な点や、体重管理が行いやすい点、さらに血液透析の追加で尿毒素の除去が行える点がメリットです。また、これらに伴いQOLの向上が期待できる点もメリットとして挙げられます。

ハイブリッド療法のデメリット

デメリットとしては尿量が減りやすい点や、来院頻度が増えてしまう点です。また、血液透析のためには手術を行わなければなりません。血液透析を追加できる点はメリットなのですが、血液透析を追加するためには来院の負担が増え、かつ手術も行わなければならない点はデメリットとして覚えておきましょう。

腹膜透析のメリット・デメリット

メリット

腹膜透析は患者自身で透析液の注入・排液を行えるため、自宅や職場などでもできるのがメリット。仕事が忙しくて通院透析が難しい方や、学校に通っている学生などに向いている方法です。しっかりと自己管理ができれば、月1~2回と少ない通院回数で透析を続けられます。また、腹膜透析は血液透析よりもカリウムの摂取制限がゆるやかなので、食事も比較的自由に楽しめます

デメリット

腹膜透析を行うのは患者自身なので、自己管理能力の高さが求められます。治療操作自体はそれほど難しくはありませんが、専門の医療施設で手順を学ぶ必要があります。また、カテーテルの出口付近は非常に感染しやすくなっているため、出口部と周辺の感染予防はとくに重要。常に清潔な状態をキープしていないと腹膜炎などを起こすこともあるので、細やかなケアが必要です。

腹膜透析の費用・時間・方法

腹膜透析の方法には、1日3~5回ほど透析液の交換を行う「CAPD」と、専用機器で睡眠中に自動で交換を行う「APD」があります。CAPDにかかる時間は透析液の注入と排液で1回30分程度、APDは8時間程度かかりますが機械が自動的に注入と排液を行ってくれるため、とくにストレスはありません。

CAPDにかかる費用の目安は1か月あたり30~50万円ですが、公的な助成制度があるので医療費は軽減されます。APDの場合は専用機械をレンタルする必要があるため別途料金がかかり、さらに水道・電気代といった光熱費が必要となります。

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