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基礎知識2:腎移植との比較

腎移植とはどのような治療法か、その概要や費用・入院期間、メリット・デメリットについてまとめてみました。人工透析との比較表も要チェックです。

腎不全末期の患者に行われる腎移植とは

腎移植とは、腎不全末期の方に対して行われる移植手術。第三者の腎臓を移植することで、機能しなくなった腎臓の働きを回復させる方法です。人工透析との大きな違いは、慢性腎不全に働く唯一の治療法であるということ。

移植が成功すれば、免疫抑制剤の服用以外は普通の人と同様の生活を送れるようになります。そんな腎移植の手術法には、生体腎移植と献腎移植の2種類があります。

腎移植にかかる費用と入院期間

腎移植にかかる費用は400~500万円と言われていますが、腎移植にかかる医療費はほとんど公費で賄うことが可能です。医療保険はもちろん、特定疾病療養制度・自立支援医療といった助成制度の対象となっているため、自己負担は数万円程度となっています。

症状や制度などの組み合わせによっては、1万円以下で済むケースもあるようです。ただし、入院にかかる部屋代・食事代などは別途負担することとなります。

腎移植のメリット・デメリット

メリット

腎移植を行い成功すれば、腎臓本来の機能がほぼ回復。水分摂取の制限もなくなりますし、塩分・たんぱく質の摂取制限といった食事療法からも解放されます。

人工透析を受けていた方はその必要もなくなるため、時間に拘束されることがなくなり、仕事などの社会復帰もしやすくなるでしょう。また、人工透析ではさまざまな合併症が現れますが、腎移植を行えば多くの症状は改善へと向かいます。

デメリット

腎移植を行った場合、拒絶反応を抑えるための免疫抑制剤を飲み続ける必要があります。服用する時間やタイミングを守らないと効果が薄れるケースもあるため、毎日しっかりと飲むことが重要です。

また、生体腎移植の場合はドナーに対しての腎摘出手術が必要となります。ドナーの体に大きな負担をかけるほか、術前・術後の定期検診も必要となってきます。

腎移植と人工透析を比較

人工透析 治療法 腎移植
週3回 通院頻度 月1回
月額40万円程度(ただし保険や補助制度あり) トータルコスト 400~500万円程度(ただし保険や補助制度あり)
長期になるとさまざまな合併症が出現 体への負担 移植後は透析に伴う合併症は改善
・大掛かりな手術はなし
・治療を受けられる施設が多い
メリット ・通院回数が少なくなる
・水分・食事の制限がほぼなくなる
・社会復帰しやすい
・時間的な拘束が多い
・社会復帰しづらい
・水分や食事の制限が厳しい
デメリット ・大掛かりな手術をが必要
・生体移植の場合ドナーに負担がかかる
・免疫抑制剤を服用し続ける必要がある

参考元
東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター
http://www.twmu.ac.jp/KC/Urology/disease/kidney/transplant/hospitali.php

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