人工透析の際に必要となるシャントとはどのようなものか、その特徴について解説しています。また、シャントの種類や必要な手術、メンテナンス方法についても触れています。
血液透析を行うには、1分間に150~200mlという大量の血液を体外へ連続的に取り出さなくてはなりません。しかし、通常の血管ではこれに対応できないため、動脈と静脈を結びつけて血流量の多い太い静脈をつくります。これがシャントです。
シャントは血液を取り出し、再び体内へ戻すための出入り口であるブラッドアクセスの1つであり、人工透析には必要不可欠なものとなっています。シャントは基本的に利き腕と反対の手首に造設しますが、動脈硬化・糖尿病といった持病のある方や、血管の状態が良くない場合は肘のあたりにシャントを設けることもあります。
シャントには内シャントと外シャントがありますが、現在では内シャントが主流となっています。
内シャントとは、皮膚の下で動脈と静脈をつなぎ、大量の血液が流れるようにしたもの。人工透析を行う際には、動脈と静脈それぞれに針を刺して透析機器に接続します。この内シャントの造設には、自分自身の血管を使う方法と、人工血管を使う方法があります。
外シャントとは、動脈と静脈を人工血管でつなぐ方法。内シャントとの違いは、この人工血管が体の外に露出しているという点です。シャントが体外に出ているため穿刺は簡単ですが、感染のリスクが高く審美性も乏しいため、現在ではほとんど用いられていません。
シャントが狭くなったり詰まったりすると十分な透析ができなくなるため、日常的なメンテナンスが必要です。
まず、シャント部を圧迫すると腕が腫れたり詰まることがあるので、袖口が締まるようなファッションは避けるようにしましょう。シャント側の腕で重いものを持ったり、腕時計をしないといった心がけも重要です。また、透析を受けた日は感染を防ぐため、入浴は避けてシャワーだけに留めたほうが良いでしょう。
特集
人工透析と共に
酵素を取り入れる
腎臓への負担をできるだけ軽くするためには、体内の老廃物を減らすことが重要。そのために必要と考えられるのが酵素です。
酵素は消化・吸収・代謝・排泄といった生命活動に必要不可欠なもの。体内の酵素を増やすことが腎臓を助けることにつながると考えられるのです。