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下肢閉塞性動脈硬化症

透析患者さんによくみられる症状のひとつである、下肢閉塞性動脈硬化症。 足の血液不良に伴い、しびれや痛みを生じます。進行すると最悪の場合、下肢の壊疽で切断に至る可能性もある注意が必要な合併症です。

近年、透析患者さんの高齢化が進み、また糖尿病を持っている方が多く、足の病変である下肢閉塞性動脈硬化症を患う方が増えています。ここでは、下肢閉塞性動脈硬化症の原因・対策についてまとめてみました。

下肢閉塞性動脈硬化症の原因(理由)

動脈硬化

動脈硬化とは、血管が狭くなったり詰まったりすることです。発症しやすくなる要因は糖尿病や高脂血症、高血圧、高齢、喫煙などがあります。血管が詰まるメカニズムは、生活習慣などの影響により血管の内側にコレステロールが蓄積。

ドロドロの脂肪分がこびりついたり、カルシウムが沈着したり、血のかたまりができたりすることが挙げられます。足の動脈硬化が進み、血管が狭窄・閉塞してしまった場合を、下肢閉塞性動脈硬化症といいます。

糖尿病

血糖が高い状態が続くと血管の老化を促進させるため、糖尿病の患者さんは下肢閉塞性動脈硬化症の重症化リスクが高いと報告されています。

糖尿病は末梢神経障害という合併症を引き起こす恐れがあり、血糖値が高い状態が続くことで、手足のしびれや痛みが生じ、感覚が分からなくなることも。

足の感覚が鈍くなるため、足の病変である下肢閉塞性動脈硬化症の発症に気づくのが遅くなってしまいがちです。また、痛みが感じにくいため足の傷をそのまま放置してしまい、壊死に至るケースもあ。悪化した際の下肢切断の割合が高いことが報告されています。

下肢閉塞性動脈硬化症の種類

歩行障害:間欠性跛行

下肢閉塞性動脈硬化症の初期症状は、冷感やしびれ感が特徴です。さらに動脈硬化が進むと、間欠性跛行を引き起こします。

間欠性跛行とは歩行するときはもちろん、下肢の運動を行うことで下肢(主にふくらはぎ)に痛みを感じるため、歩行が困難となる症状です。10分ほど休むと痛みが改善するため、再び歩けるようになります。

安静時疼痛

足の動脈硬化が進んでくると、足を動かさないときも痛みを感じるようになります。その痛みで夜も眠れなくなる方も少なくありません。痛みの特徴としては、刺すような痛みと表現されることがあります。

潰瘍や壊死

最も進行した状態では、血流が滞ることで足先の色が変色したり、潰瘍ができたりします。足先が壊死に至ると、足の切断を余儀なくされる場合もあるので注意が必要です。

下肢閉塞性動脈硬化症の予防

生活習慣の改善

動脈硬化を進行させるドロドロをした血液を作らないためには、生活習慣の改善が基本となります。喫煙するとニコチンによって血管を収縮させる作用があるため、禁煙は必須です。また、血糖値や肥満にも注意していく必要があります。

足の血流を良くする習慣も大切であり、その1つが運動療法です。一般的には歩行訓練を行います。歩行が困難な場合には寝たままでの足の運動や、手すりなどにつかまった状態で実施。足の血流を改善させるため、可能な範囲での運動を心掛けましょう。

フットケア

透析患者さんのなかでも糖尿病のある方は、特に症状を感じづらいため、目でみて、触って、足に異常はないか日々チェックしていくことが重要となります。

足を清潔に保つ

血行が悪い足に傷ができると治りにくくなります。最初は小さい傷であっても、免疫力が低下している透析患者さんの場合だと短期間で悪化してしまうケースも。水虫などの皮膚トラブル・感染などを予防するために、足を常に清潔にしておくことが大切です。

爪の手入れは変形を防ぐためにも定期的にカットし、肥厚した爪はやすりでけずるなどし、こまめにケアを行ってください。深爪することで化膿してしまうこともあるため、爪の切り方には注意しましょう。

怪我ややけどに注意

足にできたタコや、軽いやけどから悪化してしまうケースもあります。怪我を予防するためにも、四季にかかわらず素足になることは避け、足の保護を心掛けましょう。

靴擦れを予防するためにも、足にあった靴選びも大切です。皮膚の傷やひび割れ、靴擦れなどの症状がある場合は、早めに透析を受けている医療施設に相談しましょう。

足を冷やさない

寒冷刺激により、足の血行はさらに悪くなってしまいます。入浴や、足湯により足をしっかりと温めるのは血流改善に効果的です。靴下やレッグウォーマー、電気毛布や湯たんぽを使用しながら、保温に努めましょう。低温やけどを生じないよう温度管理にも注意しながら、湯たんぽ等は足に直接当たらないようにしてください。

まとめ

長期に透析を受けている患者さんやベースに糖尿病を持っている患者さんは、下肢閉塞性動脈硬化症が重症化しやすいため注意が必要です。早期発見・早期治療で進行を予防することができます。

患者さんだけでは見えない、わからない症状もあるので、気になることがあれば医師に相談するようにしましょう。

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