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リンを控える

人工透析を行っている方は、リンの摂取量に気をつけましょう。ここでは、透析治療中にリンを控えるべき理由と、食事のコツを紹介していきます。

透析治療中にリンを控えるべき理由

透析治療をしていると、リンを上手く排出することができなくなり、血液中に溜まってしまいます。リンは、色々な食べ物に含まれていて、比較的摂りやすいミネラルの一種です。通常であれば、カルシウムやマグネシウムと結合して、骨や歯をつくるときに使われます。しかし、リンの数値が高くなると、骨がもろくなるので骨粗しょう症や骨折が起こるリスクが上がります。また、リンが血液中に溜まることで、血管にカルシウムがついて詰まってしまうため、心筋梗塞や心不全が起こりやすくなるといわれています。

副甲状腺ホルモンが骨を溶かしてしまう

腎臓の機能が低下すると、リンを排出できなくなるだけでなく、ビタミンDを活性型に変化させられなくなります。ビタミンDの働きが悪くなれば、カルシウムが吸収されにくくなり不足します。カルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンを分泌して骨を溶かすことでカルシウムを補おうとするのです。そのため、透析治療中は食事に気をつけないと、骨がもろくなって骨粗しょう症や骨折が起こるリスクがあります。骨が溶けるときにリンが出てしまうので、さらにリンを過剰摂取してしまうという、負のスパイラルに突入してしまいます。

リンの数値を低く抑えるには?

リンの数値を低くするには、リンの摂取量を自分でコントロールすることが大事です。たんぱく質やカルシウムを多く含む食品は、摂取量が多くならないように意識しましょう。また、加工食品も『リン酸化合物』というリンが添加されている場合があるので、よく確認してから食べるようにしてください。ただし、リンはたくさんの食品に含まれる成分なので、極端に制限すると必要な栄養素が足りなくなる可能性があります。

食事療法も大切ですが、リン吸着剤の量を調整しながら数値を抑える必要があります。透析だけではリンの量をコントロールできないので、リン吸着剤を飲むときは、指示されたタイミングで飲むようにするのが大切です。胃に食べ物がある状態でリン吸着剤を飲めば、余分なリンが体に吸収されるのを防ぐことができます。

リンが多く含まれる食べ物

リンが多く含まれる食べ物は、チーズや牛乳、煮干しといったカルシウムを含む食品です。他にも、たんぱく質を含む肉や魚、卵はリンが多いので気をつけましょう。さらに、リンが添加されているカップ麺や袋麺、練り物やハムの摂取量にも気を遣う必要があります。

1回の透析で、1,000mgのリンが除去できるといわれています。週に3回の透析を行うと、3,000mgが除去できる計算です。さらに、リンは便にも400㎎ほど排出されるので、便や透析で排出できる量を考えて、リンの摂取量を調整する必要があるでしょう。個人差はありますが、リンの摂取目安量は1日あたり600~800mgとなっています。[注1]

リンの種類にも気を付けよう

リンには有機リンと無機リンの2種類があります。たんぱく質に多く含まれているリンは有機リンで、摂取すると血清リン値が上昇します。また、血清尿素窒素も上昇するため、摂取する際は十分に気をつけなくてはいけません。有機リンは、植物性の食品で吸収率が20~40%で、動物性の食品で40~60%となっています。動物性の食品のほうが、吸収率が高いので注意しましょう。

一方で、食品添加物のリンは無機リンと呼ばれており、有機リンと比べると吸収率はかなり高くなっています。無機リンの吸収率は90%以上といわれているので、加工食品が中心の食生活になっていないか、食生活を見直すことが大切です。加工食品を食べるときは、茹でてリンを溶かすと、リンの摂取量を少しでも減らせます。ラーメンやウインナーを茹でた際は、リンが溶けだしている茹で汁は捨てて調理しましょう。[注1]

[注1]【PDF】リン(P)とタンパク質~上手な食事の付き合い方~|東邦大学

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